こんにちは!
女性起業家専門イメージコンサルタント
武田しのです。
「ブランディングに興味があるけど、これまで自分軸を大事にしてきたので、そこは失いたくないです」
「自分らしさを大切にしたブランディングが希望です」
そんな起業家さんに、数多く出会ってきました。
自分軸とは、「人の目を気にせず、「自分がやりたいこと」を最優先にすること」、というように理解しています。
実際、「自分軸」という概念に救われてきた起業家は、多いのではないでしょうか。
これまでの人生で、親・夫・義理の父母・ママ友・上司など、周りの顔色を窺わなくてはいけなかった人生を過ごしてきた人たちにとって、起業という新しいステージに立って「やっと本来の自分を取り戻すことができた。これからは自分軸で生きるんだ」となるのは、とても理解できます。
ですが、「起業する」ことと、実際に「稼ぎ続ける」ことは、天と地との差があります。
この自分軸にこだわりすぎたために、月収10万にも満たず、ほぼ起業した「だけ」のまま、そのままスタミナ切れを起こして見なくなってしまった起業家は少なくありません。
それには、理由があるのです。
なぜ「自分軸」にこだわるとビジネスが停滞するのか
成功するコンセプト設計で、核となる要素は、以下の3つです。
① やりたいこと(WANT)
② できること(CAN)
③ 必要とされていること(NEED)
この3つをカバーしていることが、成功するビジネスではとても重要な要素なのですが、ある程度売れるまでのフェーズで、最も重要になるのが ③必要とされていること(NEED) です。
砂漠で水が飲みたい人は、いくら払ってでも水を買いますよね。
「必要としている人に、必要とするものを提供する」
これが、すべてのビジネスの基本です。
起業すると、これがわからなくなる人が多いです。
私自身も今までに、何度もわからなくなり、無意識に自分軸に偏った方向に突っ走ってしまった経験があります。
「あれ???なんか様子がおかしいぞ」と気づき、メンターに指摘されて、軌道修正をしてきました。
「必要としている人に、必要とするものを提供する」という超基本なことを、起業家がつい忘れてしまうのは、会社員と違い、起業は何をやっても叱られることはなく一見自由だからでしょう。
自分が本当に好きなことと、マーケットが求めていることが、完全一致していることは少なく、マーケットにそこまで必要とされてないものを売るのは、とても難しいのです。
年収1,000万円など、ある程度の壁を突破した後であれば、本当の自分の理想を叶える人生のフェーズとして①やりたいこと(WANT)をビジネスに取り入れていくことが、大事になります。
ですが、起業初期段階、なかなか壁を突破できていない段階では、自分軸にこだわっている場合ではなく、体力を失う前に、まずは成功して、早く勢いをつけたい時期なのです。
ブランディングにも、全く同じことが言えます。
「着ていてラクだから」「これが私のスタイルだから譲れない」「私らしさを大切に起業したい」
と聞こえは良いのですが、ベクトルが自分に向いている人が成功するのは、うまくいく可能性がかなり低くなります。
結局は、お客様より自分が可愛さが優先、自分のプライドを譲ることができない、というそのあり方が、ブランディングにも透けて見えてしまえば、顧客ファーストな姿勢が見えてくる起業家に流れるのは、ごく当然のことです。
例えるなら、片思いの相手の好みをリサーチもせず、自作の手編みマフラーを押し付けるようなもの。
受け取ってもらえないのは、当たり前なのに「なんでわかってくれないの?」と嘆いているような状態です。
「自分のサービスを必要とする人に、伝わりやすい見せ方」が、たとえ、いつものあなたとは多少離れていたとしても、そんなことであなたらしさは、絶対に奪われませんし、そんなもので簡単に奪われるようなものは、自分軸でもなんでもなく、単なるプライドです。
もしも、1日も早く突き抜けたいという覚悟が持てるなら、まずは、自分の商品を必要とするお客様の解像度を上げ、そのお客様に対して一番効果的な見せ方をするのが、成功への最短ルートです。
サクッと稼げる自分になって、自分を物心ともに幸せにしてあげること。
そのあとで初めて、自分の好きなものを売る、自分好みの見せ方でビジネスを売る、という①やりたいこと(WANT)を実現しても、遅くはありません。